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2007年7月28日 (土)

消費者金融大手の統合

7月26日消費者金融大手で融資残高3位のプロミスが同7位の三洋信販の株式をTOB(Take Over Bit)により取得して完全子会社とすることを発表した。

一般紙の論調を見ると
「脱・灰色金利へ再編劇」(朝日新聞27日付15面)
「三洋信販と統合、完全子会社へ」(読売新聞27日付8面)
「存続かけ決断」「法改正、市場縮小で」(毎日新聞27日付11面)
「消費者金融、再編へ動く」(日経新聞27日付3面)

と消費者金融業界の貸金業法改正後の再編と捉えたものが多い。

また、これらの新聞に掲載されたプロミス側のコメントでは、
三洋信販が、九州など西日本中心、首都圏関西に強いプロミスとの重複が少ない。
・三洋信販には、178地域金融機関との融資保証やプロミスにないクレジットカード事業がある。
・コスト削減効果がある。
・プロミスの経営の多角化が図れる

などを挙げ、「新しい顧客基盤が手に入った。両社の統合は最高の手段」(毎日新聞27日プロミス神内社長)とされる。

確かに、消費者金融業界は、貸金業法の改正で2年半後に至らずとも実質的に貸付金利を引き下げざるを得ない状況となり、過払い金返還請求の増加傾向が止まらないことから、収益の低下とキャッシュアウトのダブルパンチで厳しい状況にある。
したがって、経費削減を図りつつ、優良顧客を確保して収益の向上を図りつつ、消費者金融以外の収益源を育て、貸金業法の改正や金融庁の政策誘導等のリスクに左右されない収益構造、経営環境を作る必要があると思われる。

この点では、今回のプロミスの決断の背景は十分に理解できる。

問題は、今回の統合で貸金業法改正に伴い生じた課題に対応できるのかということである。
あえて厳しい見方をすると、

・顧客基盤の重複状況によっては、総量規制を考えると、統合により融資枠の設定がより厳しくなる、残高の圧縮の必要性がより強くなるのではないか。
 (他社の残高と自社の枠の合算規制の影響。合併の場合)
・過払い金額の圧縮には無関係である。
の問題が残る。また
・過払い金返還が原因で、二期連続800億円余の赤字で、今後も過払い金返還が継続するリスクが高い企業にTOBで買う場合に、現時点での株式価値(1000から1100億円)が妥当か、また、資産管理会社買収額はいくらになるのか?
・多角化の一環としてより消費者保護レベルの高いクレジットが妥当なのか。
などの疑問がある。
今後も予想される消費者金融の整理統合でも問題になるところであるが、特に、上場企業のTOBであり、その行使価格の考え方に注目したい。

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