« どのくらい検索されているか? | トップページ | ゆびとまが事業譲渡!!! »

2007年9月 1日 (土)

公共団体の過払金差押は、滞納者にとって不利では?

茨城県内の全44市町村でつくる「茨城租税債権管理機構」が消費者金融大手の武富士を相手取って、地方税の滞納者が有する過払い金など165万円の支払いを求めて提訴することが朝日新聞31日朝刊に掲載されていた。

いわゆる「取り立て訴訟」である。
管理機構側は、武富士に対する「過払い金返還請求権」という債権につき、債権差押を申し立て、取立権により差押債権の請求をしたところ拒絶されたので取り立て訴訟を提起するのであろう。

記事によると「滞納者の了解を得ており」と記載されているが、過払い金返還請求権を行使しているとは書いていない。

差押に詳しい人はお分かりと思うが、本件の場合機構側が直接武富士側に滞納者の過払い金返還請求をできるわけではない。

あくまでも、過払い金の返還請求ができる滞納者が、武富士に過払い金の返還請求を行い、武富士側で金額を確定して、返還をすべきときに差押の効力が生じ、返還請求者ではなく、差押債権者に支払う義務が生じるわけである。
銀行預金の差押の場合に置き換えると、延滞者が現金を銀行に定期預金にしている場合は、定期預金の払戻請求権を差押できだけで、すぐ債権者は銀行に支払いを求められず、満期が来て預金者が払い戻し請求できるときまで、取立てができないのである。(期日前に取立てしようとすれば、期日までの利息を請求債権から控除すべきである)

過払い金の返還請求の場合は、支払期日が予定されていないので、過払い金返還請求権者(税金滞納者)が債務者(この場合は武富士。差押の関係では第三債務者)に対して、過払い金を返還せよと請求して、初めて、債務者は支払い義務が生じます。
過払い金返還請求というのは、法的には、支払義務のない利息を支払ったので、払い過ぎの利息部分を返せということですが、返還請求をしない限り返還義務はありません。

返還請求するかどうかは自由なので、債権者(管理機構)は、滞納者に他に財産がない場合に限って、権利の「代位行使」ができ、この債権者代位による返還請求権の行使により取得した債権の差し押さえが可能と思われます。

ここまで考えて、いくつか疑問があります。
�@滞納者に税金滞納額に相当する財産がある場合は、税務署や管理機構が過払い金返還請求権の債権者代位はできないが、ないことの証明を租税徴収法に基づく差押の場合誰が検証しているのであろうか?
(一般差押は裁判所が検証するが、租税差押の場合は取立てが容易な貸金業者からの過払い金返還を活用する趣旨で安易になるものではないのか。その場合次の�Aの問題が意識されているか)

�A過払い金返還請求権の行使を滞納者の承諾を得て、行使する(その根拠が何なのかよくわからないが、このようなことができるとした上で)場合に、当該滞納者は、少なくとも当該貸金業者から今後の借り入れができず、最悪他の貸金業者からも借り入れができなくなるという不利益事項の告知はどのように行われているのであろうか?

�B租税債権の場合、延滞税は、一定期間の延滞後は、年14.6%がほとんどですが、過払い金返還債務の場合は先の最高裁判決によると年5%です。

報道のケースでは、滞納固定資産税、市町村民税、国民健康保険税が数百万円、で、過払い金が約165万円で、かつ本人の了承を得ているので問題はないようにも思われます。しかし、過払い金額が、1000万円程度もあり、一方滞納税額が100万円未満のケースを考えると、不当利得に対する利息額が延滞税額を大幅に上回るので、自治体等に早めに返還請求権を代位行使されると滞納者からすると予定した過払い金に対する利息が受け取れず、返還請求を遅らせて、延滞税を考えても有利な「運用」を考える滞納者に不利になり、問題にはならないのか?など

税金の滞納解消方法として推奨されているが、滞納者の今後の資金調達に関する影響はもちろん、有利な資金運用?の手段を害される?問題はないのか考える必要もあるのではないのか?

税金の滞納をなくすことは全国民にとっては当然のことで、そのための自治体の努力は当然であるが、税金は継続的に発生するものであることを忘れてはなるまい。一時的に徴税を実現しても、当該個人の信用を破壊し、信用を受けられなくすることを強制することにより、対象となった個人の起業や再起を阻害し、結局法人税や所得税の発生そのものを減少させ、福利厚生関係予算の増大をもたらすことにはなりはすまいか?

最近、行政も成果主義が採用されているが、民間の成果杉主義の悪弊である「一時しのぎ」「超短期視点の成果主義」とならないのか心配である。

|

« どのくらい検索されているか? | トップページ | ゆびとまが事業譲渡!!! »

企業法務」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 公共団体の過払金差押は、滞納者にとって不利では?:

» 過払い金返還請求とは? [過払い金返還請求のススメ〜過払い金は返ってくる〜]
「過払い金返還請求」というのはあまり知られていない言葉ですが最近少しずつテレビやネットでも情報が増えつつあります過払い金返還請求制度は多重債務者にとってかなり重宝する制度だったりします簡単に説明すると、何年も消費者金融に借金返済してると金利を多く払いす.. [続きを読む]

受信: 2007年12月21日 (金) 21時50分

» Buy brand amp generic cialis online cialis center. [Buy cialis online.]
Cialis best price buy online. Buy viagra online uk cialis levitra. Buy cialis pharmacy online. [続きを読む]

受信: 2007年10月 5日 (金) 09時50分

» Propecia online pharmacy. [Propecia uk order online.]
Buy xenical and propecia online from pharmcom. Cheapest online propecia. Cheap propecia buy propecia online. Propecia online pharmacy. Buy propecia buy cheap propecia online. Propecia uk order online. Get cheap propecia online. [続きを読む]

受信: 2007年9月25日 (火) 15時50分

« どのくらい検索されているか? | トップページ | ゆびとまが事業譲渡!!! »