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2007年9月11日 (火)

預貯金の調査までやるの?

最近割賦販売法の改正に絡む記事が多いようだ。
今日の朝日新聞9面では、「ざっくばらん」に「信販契約の監視強めよ」
という題で経済産業省の審議会委員を務めるI弁護士へのインタビュー記事が
掲載されている。

高齢者や判断力の劣るものを狙った悪質商法が根本的な問題である。
経済産業省も、別に審議会を立ち上げ、このような悪質業者を排除すべく、
特定商取引法で広く訪問販売業者を登録制にして、実態を把握し、早期に
行政処分を行うべく、対応を検討中である。

I弁護士は、それだけでなく、訪問販売業者がクレジットの「仕組みの悪用」
が問題といっている。
特に、クレジットカードを使わない「個品割賦は、業者側が信販会社を決めて契約書を作成する。限度もなく、悪質業者が入りやすい」のだと。
したがって、「販売業者が不正の契約をした場合、信販会社も法的に
責任を負うようにすべきだ」
また「契約金額の上限が必要だ」との意見のようである。

そのために信販会社に「販売業者がうそをついて勧誘したり、過剰に売りつけていないか調べさせ」「購入者の預貯金などの個別の調査・確認を義務付けるべきだ」と結論付けてあるが、相当な違和感を感じる。

「うそをついて勧誘」は消費者契約法でも取消しが可能と思われるが、なぜ信販会社が調べるような仕組みが可能なのか?

クレジットを使った取引は、日常的にどこでも行われているが、売主と買主の交渉の結果決まることであり、信販会社は関与できないのではないか?
買主が、「うそを使われて契約した」と申し出るなら、クレジット契約は成立しない。買主さえ、きずいていないものを信販会社は、どうやって知ることができるのであろうか?
契約しすぎないように「預貯金を調査すること」にしても、預金があったら、
クレジットは取引するなということだろうか?それとも、預貯金もない人には
クレジット取引をするなということか?

大体、よく知らない会社から、「あなたの預金は、いくらですか?」とか
「預金しているのは、どこの銀行ですか?」など聞かれて、答える人がいるのだろうか?

結局一部の悪質業者?のおかげで、クレジットシステムを利用して商品の販売やサービス提供をやっている事業者に、クレジット利用の道を閉ざすような考えのように思われる。

話は変わるが、平成18年度の成年後見事件の申立件数が、32629件だったらしい。個人的には、思った以上に使われているようである。
私たちが年取って、ややぼけ始めたら、診断書をもらって、成年後見の申立をして手続き開始しておけば、万一だまされるようなことがあっても、取り消しが可能である。
同じ救済でも、「事後救済」より、「予防的対策」が企業法務の基本であり、われわれ個人も同様と思う。
言い方は悪いが、悪者はどのような仕組みを作っても、新たな悪さをする。
消費者として、「自己防衛」が必要だし、現行の民法をうまく使って、対応できるのなら、それを勧めるのが法律家と思うが。

「預金の有無や額を与信会社に告知すること」と「ぼけ始めたと医者に通告すること」は、究極の選択かもしれないが、健康な人にとっては、どうであろうか?

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