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2007年11月21日 (水)

過払い金最高裁判決(2)ムーディーズのレポート関連

先日利息制限法超過貸付における過払い金の充当に関する最高裁の判決に関して、ムーディーズのスペシャルレポートに関してコメントした。

その時点で、見ていなかったのだが、本件に関して、判例タイムズ1250号(2007.11.15)のp14以降に「過払い金返還請求訴訟における一連計算の可否をめぐる問題点について」という題で名古屋地裁民事第5部の近藤昌昭判事と影山智彦判事補の論稿があったのを昨日知った。

論稿を読んでいただくと、最近の最高裁判決の紹介を通じて、複数貸付がある場合の、充当関係の整理がなされているが、『基本契約がない場合の個別貸付の充当に関する処理』は、前回私がブログで書いたもの内容と同趣旨であると思う。

特に、「4.まとめ」に記載されているが、複数の借り入れがある場合の充当に関する『黙示の充当合意』がいかなる場合に認められるのか裁判例の集積により、明確化されるであろうとの見解が示されているが、「実務において散見される『当事者の合理的意思(ないしは借主保護)』というフレーズを強調するだけの主張では、当然に充当処理が肯定されるものではない」との指摘には、いつまでも借主利益の観点での処理の正当性の主張が認められるものではないといわれているように感じる。

さらに、「消滅時効の起算点」に関する論点についても示唆に富むように思われる。
過払い金の計算と「充当に関する合意の推定」の問題と異なり、消滅時効の中断事由である「承認」とは、「時効によって権利を失う者に対しその権利の存在すること知っている旨表示すること」(我妻栄「新訂民法総則」470p)であることから、貸金業者が過払い金債務の承認をしているといいうるか慎重な検討が必要との指摘には、貸金業者が自主的にそのような行為を行うことが株主等に対する背信的行為となることから妥当な見解であると考える。

一度じっくり目を通してもらい、冷静な議論が進むことを期待したい、。

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