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2009年2月20日 (金)

最高裁平成21年1月22日判決についての金融庁の解釈が出ています。

2月19日金融庁は、最高裁判所平成21年1月22日判決の概要を公表している。

みていただければわかりますが、以前のエントリーで私めが指摘しておりましたように、注意書きで消滅時効の起算点についての今回の判断は、あくまでも過払金充当合意のある契約に関してのものであり、いわゆるリボルビング契約になっているものが本判決の射程であることを明確に書いてあります。

また、同時に下級審において
「具体的な事情を勘案して過払金充当合意の成立を否定したケース(貸付ごとにいったん元利金を完済させた上で次の貸付を行なっていたもの)もあるのでこの点につき留意が必要である」
の注記もなされている。

したがって、リボルビング方式においては、原則過払金充当合意があるので、借入金債務の発生の見込みがなくなった(取引終了の)時から消滅時効の起算が始まるが具体的な事情によっては、個別に過払いになった時点から起算することもあること金融庁も認識しているということだと思います。

すでに最高裁では、平成15年以降充当合意に関する考え方を示していますが、充当合意がないとする具体的事情については、下級審レベルの判断しかありません。
一部高裁レベルでは、取引の形態や支払方法や利息計算方法、取引の間断などのより、過払金充当合意を認めない判決が出て、確定しているものもあるのでこれらを一度整理しようかなと思っています。

(このような判決は公刊された判決が多くなく、伝を頼って判決文を集めるので時間かかりそうですが、、、)

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コメント

金融庁の公表文です。

最高裁判所平成21年1月22日判決の概要
【ポイント】
􀂄 基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引(いわゆるリボルビング契約)が一定の要件を満たす場合には、過払金返還請求権の消滅時効は、上記取引の終了した時から進行する(過払金発生時から進行するものではない)。
【解説】
・ 【ポイント】にいう一定の要件とは、基本契約に基づく借入金債務につき過払金が発生した場合には弁済当時他の借入金債務が存在しなければ当該過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(以下、「過払金充当合意」)が基本契約に含まれること、である。
・ 本判決では、一般に、過払金充当合意には、借主は、基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点、すなわち、基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引の終了した時点で過払金の返還を請求することとし、過払金発生の都度に返還請求することはせずに、その後に発生する新たな借入金債務に充当するという趣旨が含まれていると解している。
消滅時効は権利を行使することができる時から進行する(民法166条1項)が、過払金充当合意に上記趣旨が含まれる以上、基本契約に基づく金銭消費貸借取引の継続中は過払金充当合意が過払金返還請求権の行使を妨げるものであり、過払金発生時点では過払金返還請求権を行使することができないため消滅時効は進行しないこととなる。
・ 本判決における結論としては、過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は、過払金返還請求について過払金充当合意と異なる合意が存在するなどの特段の事情がない限り、基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点から進行するとされている。
注)本判決の判断は過払金充当合意が存在することを前提としており一般的なリボルビング契約であれば少なくとも黙示の過払金充当合意があると認められると解されるが、下級審裁判例(本件とは別の事案)において具体的な事情を勘案して過払金充当合意の成立を否定したケース(貸付けごとにいったん元利金を完済させた上で次の貸付けを行っていたもの)もあるので、この点につき留意が必要である。

投稿: 品川のよっちゃん | 2009年2月21日 (土) 00時46分

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