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2009年7月30日 (木)

一元監督 どんなノンバンクも?

日経新聞は、7月30日の朝刊で「銀行からノンバンクまで 一元監督を検討」とする記事を載せ、業態を超えて、同じ基準で一律に監督することなどが金融審議会のテーマとなっていることを紹介している。

これはアメリカに於けるサブプライムローン問題の影響が債権流動化市場において発生したところ、直接関係しない債権も含めて同一市場に於ける他の金融商品に影響を与え、価格が急落したことにより、市場の流動性が著しく低下し、その混乱が一層の混乱を国内外に与えてしまったという経験を踏まえ、業態別に監督当局が異なるアメリカにおいて「金融規制改革案」が提出されたことに触発されたものと思われる。

今回の問題では、住宅ローン商品という融資商品に、保証や保険がついて、流動化され、流動化債権となり、更に金融工学を駆使し、CDSなども組み合わされた流動化商品となることによって、関係する金融機関が多数当事者になる中で、金融危機が連鎖し、メーカーの資金調達を担うノンバンクまで資金調達不能になってしまった。

金融機関の資金決済などに於ける信用不安等に起因する資金不足を念頭において旧来のシステマティックリスクとは異なる連鎖といえる。

アメリカが再発防止に取り組むのは当然であるかも知れないが、わが国においては、メガバンク、地方銀行、協同組織金融機関、信金という預金金融機関はもちろん、損害保険・信用保証会社、証券会社、投資運用会社に至るまで金融庁が監督し、リース会社やファイナンス会社についても貸金業法により監督しているのであるから、いまさら一元監督といわれても”省(庁)益の拡大”なのかと思ってしまう。

今回アメリカで起きた問題は、金融商品を組成する金融機関、オリジネータに資金供給する金融機関、これを購入し、再販売する金融機関で巨額な資金が動いており、一つの金融機関での資金の滞留が関係する金融機関だけでなく、当該市場に於ける他の金融機関参加者に大きなインパクトを与えたというものであるから、その範囲内の金融機関については、既に監督ができているのではないか。問題は、監督当局の市場管理能力、分析力の問題であろう。

日常の事業活動において「箸の上げ下ろしまで」と揶揄されるように個別金融機関の行動を監督している監督当局のあり方では、新しいリスクに対応できないのであって、グローバルな視点で市場を注視し、必要な政策を出していく方向に自ら変身していく必要があるのである。

その意味で新しいシステマティックリスクにつながるのは、海外とも取引関係を有する巨大な金融機関であって、対象となるのは限定されるものになるべきだし、ましてノンバンクについては、規模が大きくても営む事業の種類により、対象となるものはおのずと限定されるのではないか。

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