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2009年10月26日 (月)

リーガルサービスの充実に関する弁護士の育成と競争的視点

今秋もまた新しい弁護士がたくさん誕生する。

しかし、新司法試験の合格者のほうは、あとひと月ほどであるが、就職に苦労している人も多いようだ。そのような中、日弁連や各弁護士会では、傘下の各弁護士事務所に採用の依頼を行っているようである。何とか全員、弁護士事務所や官庁、企業に就職し、法曹としてのスタートを切ってほしいものだ。

ところで、先日地方のある中堅弁護士のブログを拝見したところ、新人弁護士の採用や研修に際して

「同業者にノウハウを教えられるか」という意識

を持つ弁護士が生じてきているとの指摘がなされていた。

(あえて、引用はしておりません)

これには、私は大変驚いたが、多分に、法曹界のみならず、法科大学院や文部科学省、法務省にとっても衝撃的なことではなかろうか。

法科大学院でのエクスターンシップ、司法修習生の弁護士事務所研修、弁護士登録後の教育・育成システムのすべてに影響がある。

これらの教育・研修システムは、座学的な司法試験の勉強と法科大学院での教育の補完的役割とともに、実際に実務に役立つ勉強であったり、専門分野選択や弁護士スキルの向上に不可欠な制度と位置付けられているはずだからである。

弁護士の数が増加し、顧問の獲得や仕事の確保ができないと事務所の維持は楽ではないとは思われるが、自らを育ててくれたシステムを否定するかのような態度には、弁護士の社会的存在を自ら否定するかのような危険なにおいを感じる。

弁護士の数を増加させた目的は、国民が必要な時にリーガルサービスの提供を受ける機会を確保させるという法科社会に対応できる体制の構築であり、弁護士に十分な報酬や社会的地位を保障するという目的ではなかったはず。

切磋琢磨して、よりよいリーガルサービスの提供を目指してほしいという期待が企業法務の立場からもあったのである。

企業人の立場からすると、学生のインターンシップや新入社員の研修に教えるノウハウはたかが知れているし、そう簡単に理解できるものではなく、長い期間をかけてノウハウを確立していくものだ。

弁護士の数の増加がそのような意識をもたらすのか、経済の停滞や過払いバブルの終焉の予想があるからなのか。それとも個人事務所ゆえのことなのか。気になる。

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コメント

こんばんは。何ともけち臭いというか、何と言うか…。ご指摘のように、全体として向上してくれないといけないと思うのですが…。
「盗まれてたまるか」という程度の意識で守れるようなものは、どのみち、盗まれるのではないかと素朴に思うのですが…。

投稿: dtk | 2009年10月28日 (水) 00時48分

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