« 貸金業制度に関するPTの提出資料 | トップページ | 「セロトニン」で多重債務者問題が解決するかも? »

2009年12月16日 (水)

5件以上借入者の減少は、退会貸金業者の366万件のデータ抹消が主因

12月3日にアップした多重債務者は減ったか?に5件以上借入のある人が100万人減ったことの主因は、日弁連の主張するように貸金業法改正の効果ではなく、廃業で信用情報機関を脱会した貸金業者の登録がなくなったことにあるのではないかと書いた。

現在貸金業制度PTによるヒアリングが行われているが、12月7日の第三回事務局会議に出された㈱日本信用情報機構(JICC)の資料に、これに関するデータが掲載されている。

これによると平成19年3月末から平成21年9月末の残高あり件数約869万件減少している。また、この間残高有人数は、新規貸付の約6220万件を反映して、1件借入者が179.3万人も増加しているが、この間一人当たりの残高は116.9万円から84.9万円に減少している。

このことだけをみると確かに、多重債務者の減少傾向が見て取れて、日弁連の指摘が正しいのかな思う人もいるに違いない。件数の減少理由が完済や法的整理の増加により行なわれたのならそうであろう。

しかし、減少した1.515万件のうち完済件数は、654万件と43%占めるものの、常識的にその全てが5件以上借入の人とは到底考えられない。

むしろ重要なのは、純減した870万件のうち、会員企業の廃業などによる「非会員への債権譲渡(76万件)」「退会(290万件)」により合計366万件もの取引が残高が有りながら抹消されているという事実ではないか。

これらの抹消記録が現在もJICCの記録残っておれば、残高あり件数は3百万件前後増加し、平成21年9月末で2件以上借入の人にそれぞれ1件ずつ上乗せされる。そうすると、102.5万人いる4件以上の借入者のかなりの部分が5件以上の借入にシフトするものと考えられることから、実は5件以上の借入者はそんなに減っていないということがいえるのではないか。

特に平成21年3月以降半年で、非会員譲渡により14万件、退会により144万件が登録から抹消されて要ることは注目に値する。(武富士も14日「条件緩和債権」380億92百万円を会員外会社に売却している。この件数も平均単価から割り出しと約4万5千件になる。)

登録件数の2割近くを占めるデータの抹消という重要な事実を無視して、残ったデータで議論するのは大きな間違いにつながる。

|

« 貸金業制度に関するPTの提出資料 | トップページ | 「セロトニン」で多重債務者問題が解決するかも? »

企業法務」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 5件以上借入者の減少は、退会貸金業者の366万件のデータ抹消が主因:

« 貸金業制度に関するPTの提出資料 | トップページ | 「セロトニン」で多重債務者問題が解決するかも? »