« 来年は「省エネ」「バリアフリー」住宅。 | トップページ | 自動車の未納と銀行ローンの関係  割賦販売法の適用が認められるか? »

2009年12月 7日 (月)

残高3238億円は、零細事業者にとってわずかなのか。

貸金業PTに提出された資料がネットで公開されているようです。

先般から「高金利引き下げ全国連絡会議」の資料についてコメントしていますが、これが日弁連の提出資料です。

6ページに「貸付金利が14%を超える事業者向け貸金業者の貸付債権の残高は3238億円で、業界全体の2%程度にしかすぎません。この部分の貸付を伸ばすことは中小企業の資金繰り対策としても無意味です」と言い切っています。

確かに、貸金業者の貸付残高の16兆円の残高に比較するとわずかですが、単純に残高の比較をすることに意味があるのでしょうか?

貸金業者から資金を借り入れる事業者は、中小企業者といっても、資本金や従業員規模が少ない、零細事業者が少なくないことは周知の事実といえます。たとえば毎月の売り上げ規模が数100万円から1000万円程度の業者が多数あります。

そのような事業者の借り入れは、銀行など金融機関からの正式借り入れやまとまった売掛金回収までの「つなぎ」資金であり、また小額であることがほとんどです。そうでなければ高利でなくとも返済できません。

きちんとした統計があればいいのですが、仮に平均借入期間が30日間とすると、事業者向けの貸付の実行額は年間3兆8856億円になります。

金融庁の統計データをみると、

金利が14%以上のケースでは貸付単価がほとんど100万円台から多くて350万円程度ですから、小額の利用のケースです。残高に相当する利用件数が13万789件とあまり多くないのは確かですが、借り換えを行っているのでたまたま期末に残高が残っているものだけが統計に残っているのです。貸付金を約200万円としてひと月以内に銀行からの借り換えや売掛金の回収で返済したとすると、約194万2800件の貸付が行われていることになるのではないでしょうか?また、13万789件が毎月の実行件数とすると、156万9468件となります。いずれにしろ中小・零細事業者にとって100万回を超える借り入れの機会が提供されているといえるのではないでしょうか。

一方金利が12%未満の貸金業者の事業者向けの貸付単価見ると、約1000万円から、3億円台と大口の借り入れです。借入平均残高をみれば、この部分は中小・零細事業者の借り入れではないことは明らかです。

したがって、数億円の借り入れが可能な大規模事業者と比較することやその結果を単価と件数を見ずに「わずか」という風にいうこと自体が我が国における金融の実態を見ていないように思われます。

金融機関や政府系銀行が100万円200万円単位の事業性資金を零細事業者向けにすばやく融資実行実施するなら、貸金業者はいらないでしょう。

しかし、現実はそうではありません。金利4%以下の低金利ながら、少なくとも4万5000社が1社当たり3億円以上を貸金業者から借りていることも、この統計データは示しているのです。

|

« 来年は「省エネ」「バリアフリー」住宅。 | トップページ | 自動車の未納と銀行ローンの関係  割賦販売法の適用が認められるか? »

企業法務」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 残高3238億円は、零細事業者にとってわずかなのか。:

« 来年は「省エネ」「バリアフリー」住宅。 | トップページ | 自動車の未納と銀行ローンの関係  割賦販売法の適用が認められるか? »