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2009年12月 7日 (月)

自動車の未納と銀行ローンの関係  割賦販売法の適用が認められるか?

12月5日の毎日新聞や北海道新聞によると、 銀行の自動車購入ローンに絡んで、集団でローン契約の無効と債務不存在の確認訴訟が提起されているようだ。

訴状などによると、31人は07年秋から09年春にかけて、「ケー・ウイングス」と自動車の売買契約を締結。その際、北洋銀行麻生東支店で自動車ローンを組んだ。しかし、同社は08年夏からまったく納車をせず09年4月、社長が死亡して事実上、破綻(はたん)。同行は経営状態を熟知しながらローンを組み続け、契約者に損害を与えたとしている。

記事からすると、31人は、自動車が納入されないのに2年近く合計で900万円近く払っているということなので、一般的に言うと代表者等への「名義貸し」や「資金調達への協力」の可能性があるが、中には本当に車を注文し、納品を待っていた人が含まれているかもしれない。

銀行が自動車販売店の自動車販売につき、自動車売買契約と一体的に購入ローンの契約を行なったりするなど、銀行と自動車販売店の間に「密接な牽連関係」があると認定されれば、改正前割賦販売法の「割賦購入あっせん」に該当し、改正前割賦販売法30条の4「支払停止の抗弁」により、残額の7000万円の支払を免れるかもしれない。

しかし、ローン契約が無効になるのは、銀行の担当者が実際は「空売り」で融資申込者は車を購入する予定も、お金も払う予定もないことを知っており、融資契約者に請求できないことを知っていたときなど「請求が信義に反する」場合に限られるだろう。

また、逆に融資契約者が実際は「空売り」「名義貸し」であり、「資金調達に協力」しているのであって、車を購入する予定も、お金も払う予定もないことを隠して融資契約書を作成し、資金を借り入れて、自動車販売会社に支払ったのなら、やはり「信義則」上抗弁は許されず、残額の支払義務があることになる。

改正前の割賦販売法に関するものであるが、改正割賦販売法における銀行のローンの「個別信用購入あっせん」への抵触に関するものであり、成り行きが注目される。

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