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2010年1月21日 (木)

「キャッシュバック偽装」というのか「ショッピング枠でキャッシング」~実質ヤミ金

以前「カードショッピング枠でキャッシング」を謳う業者が古物営業法違反で逮捕された記事を扱ったが、読売新聞1月20日夕刊では、「キャッシュバック偽装 実質ヤミ金」で取り上げている。

「20100120-084010-1-N.jpg」をダウンロード

これをキャッシュバックって言うのだろうか?

この図では、不正業者がCDを売ったように書いてあるがそうであれば、顧客が払えなくなったときに容易に事実関係が判明する。実際は、不正業者が自ら商品を販売する例は少なく、共謀する特定の事業者(時計・宝石店、金券ショップ、家電販売店など)を指定し、利用者に購入に行かせるという方法だ。これだと、中心となる不正業者が表に出てこない。お金を払う(商品を買い取る)者と商品を売る者は、異なるのでキャッシュバックではなく、以前の逮捕実例があるように、古物の売買なのだ。

その場合に問題になるのは古物営業法の許可取得の問題とカード会社の所有権の侵害行為の問題である。

カード会社は、クレジットカードで購入した商品について、特約で所有権留保条項を定めている。したがって、カードを利用して購入した商品は、その代金を完済するまでカード会社に所有権が留保されており、処分を禁じられている。それを知った上で利用者も不正業者も商品を売却に合意し、再販売しているのである。

したがって、利用者は、クレジット会社の所有権が留保された商品であるから、処分権限がないことを知りながら、不正業者に売却したのであるから、横領罪を犯していることになる。また、不正業者が買い取ることを知った上で、カードを利用して商品を買い受けることを申し出しており、譲渡目的での預金口座開設と同様であるとすれば、詐欺罪にも該当する。

そうであれば、不正業者は少なくとも利用者に対して横領等の教唆を行なっており、場合によっては共同正犯となることも考えられるのではないか。また、商品の売却をする業者が違法なこの仕組みを知って協力しているのであれば共謀や幇助罪を問える可能性がある。

このように、一連の行為はキャッシュバック偽装というあいまいなものではなく、カード保有者に横領罪の実行を呼びかけている犯罪行為なのであるから、新聞等はこのあたりをはっきり書くべきである。

まだ利用者の逮捕例はないようであるが、多額の損害が生じている実態、その不正な収益は反社会的勢力に流れている実態は明らかであるので、これに協力する利用者と買戻しを行なう業者も含めた摘発が必要である。

そうしないと、カード会社は、貸金業法改正や利息制限法改正で収益が圧迫されたうえ、不正利用が続くとなると更に経営状態が悪化する。そうなると、健全なカード利用者の楽しみなポイント付与率が悪くなったりするおそれがある。一般消費者のためにも、不正業者と悪質な利用者に厳格な対応を行なうべき時期に来ているのではないか。

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