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2010年2月15日 (月)

独立役員の届出書の提出期限まで一月あまり

昨年から、既に決まっていたことであるが、東京証券取引所、大阪証券取引所などは有価証券上場規定、上場規定施行規則、上場管理等に関するガイドライン等の改定を行い、独立役員の選任義務化と開示を上場企業に求めている。

大阪証券取引所では、2月9日その届出書のフォーマットが開示されている。
 http://www.ose.or.jp/cms/news/detail.php?id=15623&style=ja

3月末までは、全ての上場会社が届出を行なう必要があるが、いない場合は、独立役員の確保に向けた今後の対応方針を記載して届け出る必要があり、その内容は、「公衆に縦覧」されることになる。したがって、独立役員の氏名、上場会社との関係、「一般株主と利益相反が生じるおそれがない」と会社が考える理由なども含めて機関投資家や議決権行使助言機関はもちろん一般投資家もその内容を知ることができる。

一般的にいって、社外取締役には、親会社や主要株主、大口取引先の業務執行役員が就任しているケースが多いと思われるが、銀行などの大口債権者の場合も含めて、「一般株主と利益相反が生じるおそれが高くない」とはいえても、「一般株主と利益相反が生じるおそれがない」と言い切るには躊躇されるであろう。

上記以外の社外取締役・社外監査役には、コンサルタントや会計専門家、法律専門家が就任している例も多い。これらのものは外部には第三者的なイメージがあるが、今回「多額の金銭その他の財産を得ている」場合は、ケースバイケースで判断されることになり、取引所の事前相談を必要とするが、極めて保守的に考える必要があるだろう。

そうなると、上場企業としては従来の社外取締役の定義が大きく絞られていることから、対象者がいなくなり、「社外」の定義が厳格であった「社外監査役」を今回最初の独立役員とするケースが多いのではなかろうかと個人的には想像する。

しかし、社外監査役でも、「一般株主と利益相反が生じるおそれがない」と言い切ることのできる人はそう多くはないと思われるし、適格者には非常勤の役員の方が多いと思われることから、「独立役員」としての届出に「同意」をいただくのも容易ではないような気がする。

上場企業のガバナンス体制の充実、実効性の確保としての「独立役員」の制度という位置づけに対して、上場企業が専任スタッフがいるとはいえない「非常勤の社外監査役」を社外役員として届け出ることの市場からの反応が懸念されるし、選任される側の社外監査役が独立役員として届出されている場合の監査役の権限と会社の関係が不透明なままで、一般株主に対する責任負担が重くなる懸念がありそうな問題が考えられ(追記ーご本人の同意が得られるのか心配があ)るからである。

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