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2010年7月 6日 (火)

指定信用情報機関の登録情報の目的外使用問題

「貸金業者向けの総合的な監督指針」が、貸金業法4条施行に伴い改訂されたが、一部債権管理部門で問題になっている箇所がある。

PDFファイルで27ページから28ページの「Ⅱ-2-13 個人信用情報の提供等」の(1)②gの(注)の部分である。ここには、

(注)例えば、途上与信を行うために取得した信用情報を勧誘に二次利用した場合や信用情報を内部データベースに取り込み当該内部データベースを勧誘に利用した場合等(債権の保全を目的とした利用を含む)であっても、返済能力の調査以外の目的による使用に該当することに留意する必要がある。

と記載されている。

これに対するパブリックコメントでは、

加入貸金業者等が指定信用情報機関から提供を受けた信用情報を債権の保全を目的として使用することは、返済能力の調査以外の目的による使用と考えられます。

との回答があり、債権管理担当者には、驚きを持って伝わったようである。

従来から、信用情報機関の情報でも、利用に際しての目的に「債権管理目的」が明記され、顧客が延滞した場合に、顧客の借入状況を把握することにより、リスケに応じたり、債務免除を行なうなどの情報として利用されていた。また、連絡が取れないときに他の業者に登録された住所により、連絡手段を確保されていたが、これが「目的外利用」になり、行政処分を受けるおそれが出てきたのである。

金融庁は、「当局が認可をした指定信用情報機関の業務規程では、会員は信用情報を返済能力調査以外の目的で使用しない旨規定されているものと承知しています。」と述べているが、「管理目的」というのをどう捉えているのだろうか?

私は、「債権管理目的」の調査のほとんどが、「返済能力調査の一部に該当する」のではないかと考える。

例えば、「顧客が延滞した場合に、顧客の借入状況を把握することにより、リスケに応じたり、債務免除を行なうなどの情報として利用」することは、他社の利用残高や遅延の有無等の情報をもとに、支払能力を考慮した借換、組み替え、返済計画を立案することであるから、再建管理の局面ではあるが、支払能力の調査目的であると考えられる。また、信用情報の調査の結果、もはや全額の支払できないような場合に免除したり、請求を放棄するというのも「支払能力の調査」があるからであると考える。

業界では、新規貸付時や追加貸付時の調査を「支払能力の調査」と呼び、債務整理に応じたり、弁済計画を立案するのに参考として調査する場合を「債権管理目的」と使い分けているのにほかならず、中身は同じなのである。

債務者の住所などの基本情報を調査するのも、住所が不明なら「与信継続」は無理であるが、判明し、必要書類が徴収できれば、取引が継続できる。

延滞顧客で連絡が取れない場合も、まず延滞理由の調査が必要であり、今後の支払が可能か見極める必要がある。そのためには、早めに住所などを調査する必要があるし、その結果自発的な返済が困難になっているなら、「相談又は助言その他の支援を適正かつ確実に実施することが認められる団体を紹介」する努力義務が課されている(法12条の9)ことからも、連絡を取る必要性が認められる。

このような個別の判断を行なうのは当該顧客に「支払能力が認められるかどうか」にかかっているのではないか。

したがって、このような「債権管理目的」については、「支払能力の調査」として行なわれるのは当然に許されると考えていいのではないか。

何より、監督指針のこの箇所で明確に禁じているのは、データを取り込んで「勧誘に二次的に利用した場合」なので、「他社での利用分をおまとめしますよ」など、自社の顧客に呼びかけるような利用方法であるのだから。

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コメント

(43)ですね。「金融庁の考え方」では、「当局が認可をした指定信用情報機関の業務規程では、会員は信用情報を返済能力調査以外の目的で使用しない旨規定されているものと承知しています」とありますが、我々がJICCから提示されてる「同意書」のひな形や貸金業協会の自主規則第25条2項の例で行くと、この見解は?な気がします。
来週、協会の研修もありますし、ADRのついでに確認してこようかと。

投稿: nm | 2010年7月 7日 (水) 11時03分

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