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2010年7月31日 (土)

東京債権回収が特別清算へ

サービサー会社で、許可番号3号の東京債権回収が7月29日臨時株主総会を開催し、特別清算に入ることを決議したという。

平成10年成立の債権管理回収業に関する特別措置法にに基づき、平成11年の法施行時に他の会社に先駆けて認可申請をし、最初に許可が出された平成11年4月6日に認可を受けた会社の一つであった。

国税局のOBなど税務法務の専門家が中心になって設立された会社と記憶している。

どのサービサーも設立当初は環境にも恵まれて大変順調に業務を開始したが、徐々に日本経済が落ち着いてくると苦労し始めたようだ。

特に最近は、中小企業円滑化法の影響で銀行からの債権買い取りが極端に細り、一方サービサー会社の法令順守体制に問題があるとして、1社が許可の取り消し処分を受けたほか、この一年間では立て続けに業務改善命令が出されるなど、コンプライアンス体制の再構築、従業員の再教育などが求められていた。

東京債権回収も業務改善命令を受けた会社の一つであるが、東京商工リサーチの調査によると21年度以降大幅に売り上げが減り、資金もひっ迫していたようである。

サービサー会社が債権回収業務をできる債権(これを「特金債権」と呼んでいる)が金融機関の貸付債権やリース・クレジット債権、倒産企業の有している債権など範囲が極めて限定されており、民間からのニーズが高い売掛債権や病院の診療代などの取り扱いができないのが大きく影響をしている。

そこで特金債権以外の債権を債権回収ではなく、入金案内業務などとして取り扱っているサービサーが多くみられるが、業務の一部でも、それが債権回収行為とみなされると業務改善を求められることから、高コスト、高リスクながら、低収益という悪循環に至っている。

したがって、病院の診療費用の未払いなどをすでに債権回収が認められた社会保険料などと同様に、取り扱えるように法律の改正をしたり、早期にサービサー法の特金債権の範囲の見直しの改正が望まれるところであるが、改正法案は数年間たなざらしにされており、サービサーにとって当面は冬の時代が続きそうだ。

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コメント

こんにちは。不勉強な私は、深刻な医療費の滞納を抱える病院が、なぜサービサー会社を利用しないのか、不思議に思っていましたが…なるほど法律の壁があったのですね。勉強になりました。
コンプライアンス不況と言う言葉をよく聞くようになりました。法令順守体制を整えようとすると大変なコストがかかってしまいます。業務の幅も、柔軟な対応も狭くなっていきますね。建築基準法も、金融商品取引法も貸金業法も、規制される側の意見を"規制されるが故の抵抗"としていなすのではなく、現場の意見として耳を傾けるべきだったと思います。サービサー法は適切に、ニーズにそった改正が行われることを期待します。

投稿: taiyo | 2010年7月31日 (土) 21時01分

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