« 日本貸金業協会から過払い金の統計が公表されている。 | トップページ | 愛されていない会社 ワースト15社 »

2010年10月19日 (火)

カード現金化業者の脱税と詐欺罪

今日の夕刊各紙には、都内の現金化業者がクレジットカード現金化商法で得た利益を申告しなかったとして、東京地検に告発された記事が掲載されている。⇒コチラ

朝日新聞や読売新聞の夕刊記事によると、「ユニティワン」「ハートステーション」「城南ギフト」「まごころギフト」などの商号で現金化サイトを運営していたようである。

朝日の記者は実際に自分自身で1万円のキャッシュバックをこの業者に申し込んで取材をしたようであり、「新しい借入が困難な人から好評公表です」との発言も引出すなど大変本件に関して意欲的である。

ただ惜しむらくは、このようなカード現金化業者について、「貸金業法に違反しない」「詐欺の可能性もある、、が、、、犯意の立証が難しい」としている点である。

まず、貸金業法違反・出資法違反の問題である。貸金契約は、金銭の交付(貸付)と返還約束がその要件であるが、現金化業者は、ほとんど無価値の商品に利用者の希望する金額から逆算した値段をつけ、それをキャッシュバックと称して8割以上の金銭を口座に振り込んでいることから、「売買を仮装した」金銭の交付といえ、販売代金名目で利用者が現金化業者に対する金銭債務を負担しており、これをカード会社は立て替えて支払っているわけなので、金銭消費貸借が成立しているとの考えも成り立つ。

そうであれば、無登録営業と無登録業者の貸金広告だけで現金化業者を刑事罰に問える。もちろん高金利の処罰のある出資法違反にだって問えるのである。

次に、詐欺罪についてである。

これについては、誤解があるようである。現金化業者の詐欺は、主犯が現金化業者で、従犯が利用者となるものと思われる。

なぜなら、現金化業者は、カード会社の加盟店として、又はカード会社の加盟店と結託して、正常な販売行為であるかのように見せかけて、カード会社から立替金を偏取しており、利用者は、偏取のための道具に過ぎないからである。

(この点読売新聞夕刊4面に記載があるように、「事実上、高利の貸金」「カード会社から不正に資金を得て提供する行為」とのカード会社や日本クレジット協会の声を掲載)

読売新聞によると、通信販売業者としてカード会社との間で加盟店契約を締結し、ゴルフのティを売ったにも拘らず、他の商品を高額で販売したようにみせていたようであり、明らかにカード会社への虚偽申告で、実質的には「空クレジットによる立替金の偏取」といえ、利用者の支払意思に関らず、現金化業者の詐欺と考えられる。

本件で国税の調査が入っているようであり、利用対象も特定されていると思われる。したがって、詐欺罪、又は貸金業法違反などでの立件に注目したい。それとともに、カード会社からの加盟店契約違反での民事上の損害賠償請求なども考えられる。

|

« 日本貸金業協会から過払い金の統計が公表されている。 | トップページ | 愛されていない会社 ワースト15社 »

企業法務」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カード現金化業者の脱税と詐欺罪:

« 日本貸金業協会から過払い金の統計が公表されている。 | トップページ | 愛されていない会社 ワースト15社 »