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2012年2月15日 (水)

貸金業法の見直し検討の時期が迫ってきた

先般大阪府の「平成23年度貸金市場に関する調査結果と今後の課題」(案)をご紹介した。

その中で「多重債務者を減らすという所期の目的にそったものであり、評価する見解がある一方で、規制する必要のない層までをも規制し、借りられないことによる弊害を生んでいるという見方もできる。」とされ、「規制の結果、返済できるにも関わらず、借り入れができず資金繰りに窮している方がいること、さらには、その結果として、意図せざる破綻に追い込まれている現状もあり、市場機能が適切に働くようにすることは喫緊の課題。」とされている。

このことから、先般は、早急に必要以上の規制内容については見直し、その際に「利用者」の意見をきちんと聴くべきだとべきであることを申し上げた。

ところで、2012年もう2月半ばに入っている。国会がごたごたしているのでひょっとしたら、議員の皆さんは忘れてしまっているかもしれないが、2012年は、貸金業法の見直しの検討の年である。平成21年6月24日法律第58号の付則第21条第2項は、次のとおり定めている。(* 下記の付則条文は、貸金業法の付則についているので、「この法律」を貸金業法と早とちりしました。この法律は、資金決済法なので貸金業法の見直し条項ではありません。貸金業法における見直し条文は、平成18年12月20日法律第115号の付則67条3項です。訂正いたします。又条文は、

「政府は、前項に定める事項のほか、この法律の施行後五年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」(ではなく

「政府は、この法律の施行後二年六月を経過した後適当な時期において、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。 」となります)

貸金業法の本体施行日は、2007年12月19日であるから今年の12月には施行後5年を迎えることになるのである。もう後10ヶ月しかない。

貸金業法の施行後本格施行直前から最終施行直前までは「貸金業制度に関するプロジェクトチーム」が設けられ、13回に渡り、施行前に問題点が詰められ、大塚座長から「借り手の目線にたった10の方策」が出され、その後この方策を取り込んだ施行規則の改正が行なわれ、段階的返済のための借換えが例外貸付とされたり、個人事業者向けの貸付けにおける提出書類の簡素化、適用除外貸付けの拡大、NPOバンクへの貸金業法の部分的適用除外などが行なわれた。

しかし、最終施行直前に開催された「改正貸金業フォローアップチーム」は、円滑な法改正施行のため開催されたもののそのまま最終施行されたという経緯がある。このときのヒアリング内容で、平成18年改正時のヒアリングに基づくとりまとめとは異なる事実関係も判明したものの、見直しは結局なされなかった。

その後まもなく2年がたとうとしており、先の大阪府の調査以外にも、東京情報大学堂下教授らの調査結果などもあり、又個人信用情報機関の登録内容の変化も見られるので、改めて検証するにはいいタイミングである。

さて、いつ、取り組みが始まるか注目である。

(追記)2月24日

貸金業法改正に取り組む超党派検討チームが昨年7月に総量規制の撤廃や上限金利の見直しと変動性の導入などを提言したが、自民党公明党を中心に議員立法の動きがあることをメンバーから話を聞いた。そうなると、議員立法では全党が一致しないと成立が難しいので政権与党の動きがどの程度積極的か気になっていたが、民主党も改正を視野に検討チームを発足させたらしい。→この記事など

総量規制による借入の抑制がどのような影響を中小事業者と個人に与えているか。

過払金返還請求と金利の引き下げで業者数が1割以下に激減しているが、このままで円滑な資金供給が可能なのか。

廃業貸金業者と現金化業者について金融庁としてどう取り組みを行なおうとしているか。

など改正を検討するに当たって、調査・検討すべき点は多い。

積極的な調査、検討が行なわれることを見守っていきたい。

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