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2012年4月20日 (金)

ヤミ金で逮捕歴がある社長がプロ野球チームと提携とは驚いた

facta5月号の「SNSゲーム会社『グループス』社長の脛に傷」を見て驚いた。

今年からプロ野球に参入したDNA社の「モバゲー」でナンバーワン人気のソーシャルゲームを提供する会社の社長が、2004年広島で摘発されたヤミ金業者のアルバイト従業員として逮捕されていたというのである。記事によると同社も逮捕の事実を認めているし、罰金刑を受けているようだ。

すでに山本いちろうブログにも取り上げられているが、広告業界を始め大騒ぎのようである。

ヤミ金に勤務していた詳しい事情はわからないが、「多重債務者のリストを元に法外な利息で強引な貸付けを行なって」いたとのことであるから、個人情報の利用問題や貸金業の無登録、出資法に反する法外な利息の請求など数々の違法な行為の一部を行なってきたということになろう。

そのような社長が創業者という会社が上場企業の最大取引先として継続して存在していたという問題は、いわゆる「反社会的勢力」との取引問題などコンプライアンス上の問題が生じかねない。いくつものプロ野球球団が、DNA社の「モバゲー」でナンバーワン人気のソーシャルゲームを提供する会社ということで提携しているが、プロ野球球団も応援団問題などを通じて反社会的勢力の排除に努めていたはずなのに、何の問題もないとして提携したのであろうか。また、その人気を支える広告を行なっていた広告代理店などもチェックしていたのであろうか。

反社会的勢力の定義の問題もあるが、「暴力的又は不当な要求行為等により市民生活の秩序や安全に脅威を及ぼす団体や個人等」が包括的に設けられているのが一般的であり、今回の社長は、この範囲に含まれている可能性が高いのではないかと考えられる。(現時点では、逮捕のときからすでに7年超経過していることからこの可能性は低いと考えられるが)

仮に、対象者であったとした場合、漏れてしまっていたのはなぜか。

1つには、逮捕されたのが2004年7月21日(罰金刑は、それ以降)に対し、DNAなどと取引を開始したのが2008年ということでまだ、反社チェックが一般企業に浸透した時期ではなかったことがあげられよう。(犯罪対策閣僚会議申し合わせは、2007年6月19日実施なのでその翌年に当たる)

しかし、内部統制の関係で、特に上場企業は、その後取引先をチェックしていったので、その後になって調べていれば、そこでわかったかものと思われるが、刑事罰を受けて5年以上経過しているということで、対象外とされた可能性がある。

ただ、上場企業の場合、その割り切りでいい場合とそうでない場合があるのではないか。この社長が従業員として逮捕された直接の要因は2003年の貸付けである。2003年といえば、2000年頃からヤミ金の急増がたくさんの悲劇を生み、報道でも盛んに取り上げられた結果「ヤミ金規制法」が成立し、無登録営業と高利の罰則が大幅に引き上げられた年である。また、前年の約3倍の1246人が検挙された年でもある。社長は当時24歳にはなっているので、それ以前からの状況を知らなかったはずはない。

このような社会的に重大な事件の場合、期間が経過したからといってなんら問題ないといえるとは思えない。今回のように記事にされるリスクがあるからである。また、関係する取引先にも大いに迷惑をかけ、営業上の損害を与える可能性がある。

例えば、ほとんどの会社は、反社チェックの際に「上場企業は、免除」としているケースが多い。上場企業は、IPOの際に主幹事証券会社と証券取引所が詳細にチェックしているという前提があるからである。そして、そのような上場企業は、内部統制やコンプライアンスの観点で、その取引先の反社チェックを当然に行なっているという信頼感がある。しかし、今回の報道でそのような社内の取り決めや信頼は、崩れるのかもしれない。その点で上場会社、プロ野球オーナー会社としての責任は大きいのではないか。

ところで、肝心の問題会社は、社長を代えて上場準備との話もある。社長が代わっても上場すれば、巨大な創業者利得を得ることになることになんか釈然としないものがある。

記事によれば「本人も深く反省している」というが、反省は誰でもできる。真に悔い改めるのであれば、自身がかかわったヤミ金被害者に対して、弁償することはもちろん、今後は継続してヤミ金対策などのためにその利得を寄付するなどして、社会的に反省を行動で示すことなど検討してみてはどうだろうか。

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コメント

たしかにその通りだと思います

投稿: 【Aモモ缶ラリアット】 | 2016年4月30日 (土) 09時37分

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