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2013年5月30日 (木)

質屋か質屋を装うヤミ金か

最近新聞を見ていると、「質屋を装うヤミ金」という文字が目立ってきた。

5月23日の毎日新聞夕刊10面によると『質屋装うヤミ金横行』として、警察庁が「23日、業者の実態把握や取り締まり強化を全国の警察本部に指示した」からであろうか。

今日は、福岡で4名が9600名に対し74億円を貸し付けていたとして逮捕されている。⇒ 記事こちら

毎日新聞の先の記事によると、大分県警が3700人18億3700万円を貸し付けていた北九州市内の貸金業者を逮捕したり、愛知県警や鹿児島、群馬県警が逮捕した業者を合わせると貸付総額は24億3700万円に上るという。ヤミ金による被害額は、2012年過去最小の109億9000万円に減少したとされているが、一部の県警で逮捕しただけで「質屋を装うヤミ金」が100億円規模の貸付けを行なっているのを見ると、実態はこの数十倍はあるのではないか。ヤミ金は減っていないのである。

質屋は、質屋営業法で1年365日の場合で、日歩30銭(0.3%)つまり、実質年利109.5%まで貸せる。出資法も、例外となっているので、貸金業者が最高でも年20%でしか貸せないので、合法的にその約5倍の金利で貸せる。この点に着目したのである。

本来の質屋は、1~3ヶ月程度の短期の資金を『質草』を預かって貸す商売であり、高利であっても、「質流れ」といって質草を処分して、債務はなくなるから、上限金利の規制の対象外であった。公安委員会に質屋営業の許可を届け出れば、暴力団、犯罪歴等なければ許可がされるし、質屋営業も物不足の時代は、地元の有力者が営むなど、地域に根ざしたものであったが、「にわか質屋」は、どうもそうではないらしい。

報道によると、100円ショップで購入した老眼鏡など安価なものを質入させて、資金を貸し付け、質流れさせずに、返済を要求しているという。

「クレジットカードのショッピング枠の現金化」と同様、ここでも100円ショップの商品が犯罪化への「安全弁」(笑)になっている。

しかし、「ショッピング枠の現金化」の「ショッピング購入品」と同様に、『にわか質屋』の「質草」も交付した金額に比して、余りにも例連中地しかないため、その実態は、貸金とは見られないための仮装と見られ、貸金業法で摘発しているものと思われる。「ショッピング枠現金化」のときの検討がこの一連の逮捕に生きているのかなとも思われる。

「にわか質屋」は、貸金業法改正直後から見られた現象であり、旧来の質屋と連携し、高価な外国製腕時計(実は、安価なレプリカだが)を質に入れさせて、貸付を受けさせ、レンタル料金名下に返済を受ける手法もある。

これらを含めた、総量規制下の不法な貸付けを早急に一掃してもらいたいが、これらのあだ花は、規制の行き過ぎがあってこそ『発生』し、「需要」があるから、いたちごっこになるだろう。真に被害をなくすためには、どうすればよいか、客観的に考える必要がある。

そういえば、もうすぐ貸金業法の完全施行から3年になる。

質屋の形式をまねたヤミ金が問題であるので、「質屋の上限金利が高いから、これを引き下げるべきだ」との本質を見誤った議論だけは、二度としないで欲しいものだ。

(6月5日追記)

消費者庁から「偽装質屋」についての注意喚起のリリースが出されている。⇒ こちら

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