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2015年3月28日 (土)

北洋銀行の自動車購入ローンの認定が逆転~札幌高裁は割賦販売法の適用認めず

札幌高等裁判所第三民事部は、自動車販売店から北洋銀行の自動車購入目的のローンを利用して自動車を購入しようとした原告らが、納車がされなかったとして支払い済みの代金の返還を請求するとともに、保証会社等にからの求償金の請求を拒絶できることを確認する訴訟について、これらを認めた札幌地裁の判断とは逆の判決を下した。

 

判決は、自動車販売店の代表者(裁判提訴前に死亡)が、

・北洋銀行のローンの事前審査申込書を原告らに記入させ、もしくは、自分で記入したうえで、北洋銀行にfax送信するなどしており、事前審査の申込みから審査結果の連絡までの手続きを行っていたこと。

・原告らは、代表者の指示により、支店を訪問し北洋銀行担当者と面談し、時には夜間入口から支店に入って担当者による審査を受け、見積書等の不備があれば、代表者が直接提出していたこと。

・融資金の振込先は、自動車販売会社であったこと。

・同販売会社の自動車購入のためのローン申し込みは、平成18年頃は月1件程度であったが、徐々に増加し、平成20年5月には11件になるなど取扱い支店の無担保ローンの7割を占めていたこと。

を認定した点は原判決とほぼ変わらない。

しかし、原判決が銀行担当者が即日融資を実行するなど、自動車販売会社及び代表者に便宜を図っていたり、例外的扱いをしたこと、融資にあたって代表者が支店担当者と一緒に職場を訪問したり、借換融資である旨を担当者が知っていた、借入申込書を作成していないなどの原告の供述書及び証言の内容は、原判決は認めたが、控訴審では、ほとんどを証拠がないとして採用していない。

これにより、原告の錯誤無効、債務不履行による解除、共同不法行為責任については、全く認められなかった。

 

問題は、原審も認定した北洋銀行と自動車販売会社との間に「密接な牽連関係」が存在し、割賦販売法の適用があるかどうかという点である。原審は、これを認めたが、自動車販売会社と原告の自動車売買契約と北洋銀行と原告間の金銭消費貸借契約は、あくまでも別個の契約であり、例外的に一方の契約から生じた理由が他方にも及ぶためには、信用供与者がそのような不利益を受けてもやむを得ないという関係にあったかどうかであるとして、経済産業省が以前から、「密接な牽連関係にある」と考えられるとする基準をもとに、12のポイントにつき判断し、(個別の認定状況は、省略するが)総合考慮した結果、この取引が個品割賦購入あっせんに該当しないとして、抗弁を認めなかった。

この判決は、最高裁平成2年2月20日判決及び最高裁平成2324年10月25日判決と同様、契約の相対性の原則に対する割賦販売法の創設的規定による例外を改めて明らかにして、例外の適用には厳格に臨むべきとする立場に立ったものであるといえる。

 したがって、原審と判断が分かれたように、実際の取引のうち微妙なものが含まれているものの、その状況が常態化しているわけでないことから、契約の相対性の原則を突き崩すほどに密接な牽連関係があるとまでは言い難かったという点で、不適用とされたのであって、銀行の目的ローン一般に割賦販売法の適用がないとしたものでは全くないことに、注意が必要であろう。

銀行の審査・法務担当の方、現場の個人向け無担保ローン推進担当者には、今回の判決だけでなく、原審の判決文をしっかり読んでいただいて、ローン推進上の留意点をくみ取っていただくのに、よい判決といえるのではないだろうか。

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