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2015年4月 8日 (水)

個人情報保護法の改正法案を考える その2 匿名加工情報

 前回の第1回で、個人情報保護法における個人情報の範囲が広がったと考えることの根拠に、「個人識別符号」が関係すると書いた。
『個人識別符号』とは、条文で、以下のように規定されている。

この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。   一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの   二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの

そして、個人情報とは扱われなくなる「匿名加工情報」とは、以下のように定義されている。

この法律において「匿名加工情報」とは、次の各号に掲げる個人情報の区分に応じて当該各号に定める措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいう。   一 第一項第一号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる記述等の一部を削除すること(当該一部の記述等を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。   二 第一項第二号に該当する個人情報 当該個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。

 

条文を読むとわかるように、今まで個人情報として取り扱われることがないと考えられることの多いいわゆる『匿名情報』と今回の法案に規定する『匿名加工情報』とが異なると考える人のほうが多いのではないか?

 

今までの匿名情報は、各社が独自の方法で加工して、自ら『これは匿名情報である。従って、個人情報ではない。』とされていたと思う。しかし、今回匿名化の手法が個人情報保護委員会の定める規則で行う必要がある。つまり、パーソナルデータとして活用可能な「匿名加工情報」は、規則の定める所定の措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないものに限られる。しかも、匿名個人情報として作成した事業者やこの提供を受けた事業者は、他の情報等を照合して、個人を識別できるようにすることを禁じられているのである。完璧な匿名化ということができよう。
  従来であれば、利用する際には匿名化している状態であっても、削除された項目や個人識別符号を記号等に置き換えるなどしてデータ内に残しておいて、あとで個人を識別できる情報に復元できる可能性があった。 逆に言うと、これは匿名加工情報ではないので、個人情報として扱われるようになったわけである。
 これが個人情報の範囲が広がるので、限定してほしいという声につながっているのである。

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