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2015年5月 1日 (金)

登録貸金業者の減少が依然として止まらないが、その先は?

個人情報保護法の見直し関係を書こうと思っているが、他の原稿等もあるなど諸事情で停止中です。

そこで、久しぶりに貸金業界のお話。
金融庁から恒例の貸金業者推移表(平成27年3月末現在)が公表されたが、いよいよ業者数が2000社を割る寸前まで減少している。→ こちら

財務局登録貸金業者数は、新規登録が散見される一方、廃業がこれを上回り、昨年1年間で3社減少し、ついに300社を割れて299社となっている。
一方、都道府県知事登録貸金業者は、100社近く減少し1,712社となっている。合計で2,011社と平成20年4月末の約4分の1、ピークの昭和61年のなんと4.23%の規模に縮小してしまっている。
いまさらながらであるが、登録回数10回、11回の貸金業者、すなわち、貸金業規制法ができてすぐに登録した営業歴30年前後の貸金業者が昨年23社、今年15社廃業しているのが、現在の貸金業界のおかれた環境を物語っている。

ファイナンス関係の新規事業を行おうとする企業も多く、時々相談にのることがあるが、規制内容の厳しさ(特に業務規制における記録等の義務など)、貸金業務取扱主任者資格試験の難しさに、「小さく生んで、大きく育てよう」としている起業家が躊躇し、貸金業法の規制のない方法でのビジネスモデルの構築に苦慮することを目にしてきた。

一方で、わずかずつではあるが、貸金業法の適用のない銀行等の金融機関の個人向けローンの残高が上向いてきている。24~5年の個人向けローン(住宅ローンを除く)残高減少後のわずかな上昇ではあるが、喜ばしいことである。
しかし、その上昇の一部には、貸金業者大手数社の金融機関向け個人ローンの保証業務の取組みの積極化が寄与していると考えられ、手放しで喜べるものではない。

現在の異常な低金利であるから、保証会社のリスク(それなりの保証料)で金融機関も個人向けに、ほとんどリスクなしに貸し付けて収益を得ているが、インフレ目標を超えるインフレ率になったときには、どうなるのだろう。
金利上昇率を織り込んで、保証料を見込むと、現在の利息制限法・出資法における利息と保証料の合算、みなし利息を加えるとかなり上限に抵触する事態も考えられる。
そうすると、さらにリスクの低い人向けにしか資金は提供されなくなる。
一方その頃には、どれだけの貸金業者が残存しており、金融機関から資金調達できない人にどれだけ資金を供給できる状況にあるのだろうか。

すぐに起きる事態ではないが、当然想定しておくべきことである。

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