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2015年12月16日 (水)

過払い金返還請求権につき時効の到来しているときに、第二取引における未払金請求債務と相殺できるとした最高裁判例

平成27年12月14日最高裁第一小法廷にて、不当利得返還請求本訴、貸金請求反訴事件の判決にちょっと注目。⇒ 判決

貸金業者から平成8年6月5日から平成21年11月24日まで借りていた人が原告であり、原告は、平成8年6月5日から借入れと返済を繰り返し、平成12年7月17日までで一旦完済(これを「第一取引」という)し、その後、平成14年4月15日から平成21年111月14日まで借入れと返済を繰り返していた(これを「第二取引」という)。

第一の取引と第二の取引を一連の取引として通算して、利息制限法の許容する利息で引きなおし計算すると、第一の取引に過払い金が発生していて、第二取引は、約定では、未払い残金があったが、過払い金が発生するとして、原告が返還請求を起こした。

これに対して、被告貸金業者は、第一取引は時効消滅を主張し、第二取引の引きなおし計算後の請求を反訴したのがこの事件です。

原審では、
被告貸金業者の第一取引は時効により、消滅したとしてその主張認められ、原告の「一連計算が認められず、第二取引において未払い額が発生するときは、第一取引における過払い金返還請求権を自働債権として相殺する」との抗弁は退けられています。

その背景として、民事訴訟法142条の重複起訴の規定の存在があったものと考えられます。

しかし、最高裁は、
民事訴訟法142条の重複起訴の規定は、第一取引の返還請求権が消滅時効により、消滅したと判断されることを条件として、反訴でその消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張するときは、抵触しないとして、第一取引の過払い金請求権について、民法508条の規定どおり、時効により消滅していても、時効で消滅する前に相殺適状となっている範囲内で、自働債権として相殺を認めるべきであるとして、相殺の抗弁を認めなかった高裁に差し戻したものです。

第一取引と第二取引とが、1年9ヶ月近く断絶しており、原審は、「一連計算」を認めていませんが、このあたりは、ほぼ定着?しているのかなと思われます。
貸金業者としては、原審の判断が最も望ましいものではありますが、一連計算が安易に認められない点でも、相当な有利になります。

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