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2016年6月の2件の記事

2016年6月27日 (月)

過払い金専門の認定司法書士に降りかかった最高裁判決

とうとう最高裁判所の判断が出ました。
ブログの休眠宣言をしたばかりですが、これは、少し触れていなければ、と休眠宣言の舌の根も乾かないうちに少しばかり、書かせていただきます。

(先日も、割賦販売に関する所有権留保に関する重要な下級審判決が出たので、いずれ、どこかで取り上げる予定です)


認定司法書士が、裁判で取り扱える事件は、簡裁民事訴訟手続きの対象となるもののうち、紛争の目的の価額が民事訴訟法3条1項6号イに定める額(140万円)を超えないとされ、裁判外の和解でも同様とされ(同7項)とされている。
しかし、紛争の目的の価額の解釈については、「個別債権額」説と「経済的利益」説があり、過払い金債権を扱う際に、貸金会社と認定司法書士間に解釈の争いがあり、弁護士も業際問題として問題にしてきた。

経済的利益説は、認定司法書士にとって、個別には債権額が140万円を超えていても、和解による利益(免除等の額など)が140万円以内なら取扱可能となるので、都合が良かった。
しかし、ついに最高裁が、以下のように判示し、個別債権説を取ることが明らかになったのである。http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85969
「債務整理を依頼された認定司法書士は,当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が法3条1項7号に規定する額(140万円)を超える場合には,その債権に係る裁判外の和解について代理することができないと解するのが相当である。」

経済的利益が140万円を超えなければいいという,認定司法書士の主張は、明確に退けれれている。

明日から、直ちに違法行為となって、たちまち和解交渉ができなくなって、困ってしまう認定司法書士さんが少なからず、存在するのは、確実である。

さらに、本件は、違法な和解行為の対価として受領した報酬返還の返還をみとめたから、受領した報酬額に、法定利率を加えて返還しなければならない。

今まで仄聞したところによると「経済的利益説」で和解を進めてきた認定司法書士がほとんどなので、過去の依頼者が、一斉に返還請求をし始める可能性も考えられるから、こちらのほうが大変だ。

また、経済的利益説で裁判外行為を行うことが違法と判定されたから、司法書士会は、違法な業務をやっていた認定司法書士に対して、どういう対応にでるのだろうか?

そういえば、認定司法書士に対抗意識を燃やしていた某弁護士法人は、どういう対応にでるのだろうか

また、依頼者等から懲戒請求が出たら、法務省は、どうするのだろう。

いずれにしろ、違法な和解行為がなかったか、すぐに精査し、報酬を返還することを検討しなければ、今後の業務にも支障が出るのは確実だろう。

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2016年6月 7日 (火)

品川のよっちゃんは、しばらく留守にします。その間『判例で学ぶ よっちゃんのクレジット法務講話』に連載中です。

ずいぶんとご無沙汰しております。約半年も更新ができておりませんで申し訳ありません。
この半年間公私共にさまざまな執筆・研究発表などに追われ、また海外にも3回調査目的などでで出かけたりして、その合間に鉄道旅行もしなければならず(笑)、結構多忙な毎日をおくっていました。

最近のテーマは、来年施行される改正個人情報保護法関係と2015年日本再興戦略でも課題となっているキャッシュレス化の実現とセキュリティの整備関係です。
いろいろ、ブログで書きたいこともあるのですが、調査結果のとりまとめ、学会発表準備などが先で、ブログは後回しになっています。
したがって、しばらくブログのほうはお休みしたいと思います。

なお、ご存知の方もあるかと思いますが、4月からきんざい発行の月刊誌『消費者信用』に、「判例で学ぶ よっちゃんのクレジット法務講話」の連載を始めました。

今までも、いろいろな判例を取り上げ、その解釈や射程範囲を論じたり、法改正の必要性とその程度などを意見したりしていましたが、改めて、クレジットシステムの発展・進化に伴って、クレジット・クレジットカード、カードキャッシングの実務において過去どのような問題が発生し、どのような解決がなされて来たのかを整理しようとするものです。
判例は、その後関連法でルール化されたものや監督上の基本的な視点になったものもあれば、自主的な改善取り組み、自社のルールなどに組み込まれたり、商品設計の参考になったりするなど、それぞれ重要な役割を果たしていますが、その背景となった事情や時代背景・環境などに大きく影響されています。これらの事情を知ることは、単なる判例の表面的な理解だけでなく、将来の予測や事故の未然防止にも有用な本質的な理解につながると考えられます。
そして、これらの判例とその後の対応により、現在の法律や商品設計や取扱実務・債権管理の実務にどう反映されているのか確認し、現状も残る問題点や課題は何かを明らかにすることを試みることとしました。
どれだけ、この思いが実現できるかわかりませんが、今後の実務のあり方、商品の企画立案、ひいてはキャッシュレス化の一層の実現のための課題の解決のための参考になれば幸いと思っております。

現在以下のテーマで『月刊消費者信用』(金融財政事情研究会発行)で執筆しております。

2016年4月号 『放置された所有権留保自動車の撤去義務』

2016年5月号 『親のクレジットカードの無断使用と会員の責任』

2016年6月号 『盗まれたカードでの借り入れにおける契約者の責任』

2016年7月号 『信販会社の保証する銀行の目的ローンと抗弁権』(予定)

ご一読、よろしくお願いします。


 

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